少し間があいてしまいましたが、三菱UFJの金融・経済概況が更新されていましたので、メキシコの2020年3月時点の状況について確認してみたいと思います。きちんと読みたい方は、こちらからどうぞ→メキシコ(2020年3月末)
メキシコの経済状況
メキシコの10月から12月のGDP成長率は、3四半期連続でマイナス成長となり、2019年の通年を通しても-0.2%の成長となってしまいました。
原因として、メキシコの最大の輸出先である米国の製造業生産の伸び率が2019年末から、落ち込んできていることが原因の1つにあるようです。またメキシコでは2015年から急激に利上げを行って来ましたが、これが消費や設備投資への下押し要因となった可能性もあります。その他2017年から財政制作の引き締めを行っていたことも要因であると考えられます。
メキシコでも新型コロナウイルスの感染が拡大しており、2020年現在1094人、死亡者28人となりました。4月に入りメキシコ国内の感染状況が第3フェースに入ったようです。
また、メキシコでは昨年8月から連続で6回利下げを行い6.25%となっています。今後も新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響は避けられず、メキシコ経済の大幅な落ち込みが予想されます。
物価は、インフレ目標の+3%±1%の範囲内に収まっている状況です。失業率は3%半ばから後半で推移しています。
2019年の経常収支は、2018年に比べると大幅な改善となったようです。しかし、その要因としては、輸入が減少したことが大きく、あまりよい内容とであるとはいえないようにみえます。
為替は、1ドル19ペソ~20ペソでしばらく推移していましたが、新型コロナウイルスの影響を受け、1ドル24ペソまで大幅なペソ安が進行しています。株価についても、大幅な株安となっている状況です。
今後の状況(考察)
メキシコの経済状況をみてみました。
メキシコでは、4月22日にも緊急利下げを行い、政策金利は6.0%となりました。メキシコは隣国である米国が最大の貿易相手国です。この記事を書いている4月末現在、米国での新型コロナウイルスの感染状況は、やや減少してきているようです。しかし、依然として感染者は多く、まだまだ本格的に経済を再開できる見込みではありません。
また、メキシコは、原油産出国でもあります。経済の停滞による原油の使用量の低下もあり、原油価格の乱高下が起きており、こちらの状況も気になるところです。
為替のメキシコペソの状況だけみると、まだしばらく厳しい状況が続きそうです。
世界全体が、新型コロナウイルスの影響を受け、経済に下押し圧力が加わっています。しかし、そんな中でもアフターコロナに向けていろいろな試みも始まっているようです。経済と感染症対策のバランスをとるのは非常に難しい問題ですが、日々気をつけられるところは気をつけて生活していきたいですね。
メキシコは新興国です。やはり世界的に厳しい状況になると新興国への影響も甚大なものになります。投資を行う場合は、資金管理をしっかり行った上で、慎重に行いましょう。参考までに。
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