株式投資メモです。信用倍率ってなんですか?ということで、株式投資を行う際に参考になる信用倍率のお話です。信用取引しないから興味ないって人も多いかもしれませんが、現物取引派の人でも知っておくと株式を購入する際の参考になります。
信用倍率とは?
「信用倍率とは、信用取引の買い残高を売り残高で割って算出される値です」
信用倍率 = 信用買い残高 ÷ 信用売り残高 |
一般的に、小さい値の方が今後株価が上昇する確率が高く、4倍、5倍、、と値が大きくなるに連れて、今後株価が値下がりする可能性が高いと思われています。
しかし、これは実際のチャートと合わせてみるとまた違った考え方となる場合もあります。
では、具体的にいくつかみてみたいと思います。
以下は「伊藤忠商事(8001)」の2019年7月末頃のチャートと信用残の状態です。
※チャートと信用残のイメージは楽天証券様よりお借りしました。
上のチャートは6ヶ月チャートです。実際に取引する際は、いろんな期間でチャートのチェックをしてください。短い期間でみたときと長い期間でみたときで違った見方ができる場合もあります。
信用倍率は0.44倍と1倍より小さい値となっています。信用倍率だけみると小さい値となっているので、この株は今後値上がりが期待できると言えます。しかし、チャートをよくみてみましょう。株価は現在天井に近い状態となっているようです。信用売りが多いということは、現在株価は天井に近いので、今後株価が値下がりする可能性が高いと予想し、空売りしている人が多い状態ということになります。
この場合、現物取引や信用買いが増加し天井を突破した場合、現在信用売りしている人は、下がると思ったのが当てがはずれたことで買い戻しや反対売買をする可能性が高まります。その場合、踏み上げ相場となりより一層株高が進むでしょう。
しかし反対にこのまま取引が増えず、反落した場合はどうでしょう。その場合、株価はしばらく下落した後に利益確定の買い戻しが発生します。その結果長期的な目線でみると、上昇が見込まれますが一回下落する可能性も捨てきれません。
このように信用倍率が高いからといって、必ずしも株価が上昇するとは限らない点に注意が必要です。取引をする際は、信用倍率を確認しつつ現在のチャートの状態がどのようになっているか、また出来高がどのくらいあるかも合わせて確認する必要があります。
もう一つ例をみてみます。以下は「日本たばこ産業(2914)」の2019年7月末頃のチャートと信用残の状態です。
※チャートと信用残のイメージは楽天証券様よりお借りしました。
日本タバコ産業の信用倍率は、9.69倍ととても高くなっています。これは値上がりを期待し信用買いをしている人が、空売りをしている人より多く存在することになります。ではチャートをみてみます。値上がりすると思い信用買いをしている人が多いにも関わらず、株価は少しつづ下落している状況が続いています。制度信用の場合6ヶ月で返済しなければいけませんので、今後も株価の低迷が続いた場合、早期に返済する人が増加する可能性があります。これにより、更に株価は下落し、しばらく株価の上昇はあまり期待できないということが予想されます。
まとめ
信用倍率が低いからといって、必ずしも上昇する株ではないということが理解いただけたでしょうか。しかし、株を購入する際の予測には十分使用できます。信用倍率だけでなく、チャートや出来高等の情報も確認しつつ株取引を行いましょう。
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