投資信託を確認すると「純資産額」の記載がありますが、この純資産額はどのようにみればよいのでしょうか?投資信託を購入するときに注意したい点をまとめました。
純資産額とは
純資産額は、投資信託の大きさを表し投資信託の全資産から運用コストを引いた額が純資産額となります。また、現在の基準額に総口数を掛けると純資産額が求められます。
純資産額 = 基準価額 × 総口数 |
反対に基準価格からみると「純資産額 ÷ 総口数 =基準価額」となります。そのため、投資信託の購入者が増えて資産が増加すると、それだけ基準価額が値上がりすることになります。もちろん、運用もされていますので、株式等が値上がりしても資産は増えていきます。
では、実際のチャートを見てみます。以下のチャートは「eMAXIS 新興国株式インデックス」のチャートです。チャートの下側に表示されているのが、純資産額になります。少し見難いですが、徐々に増加していることが分かります。
「eMAXIS 新興国株式インデックス」の純資産額は、287.65 億円(2019/08時点)です。基準価額が13,603円ですので、総口数は約211万ちょっとです。すごい数ですね。
純資産額が小さい投資信託は償還のリスクが高くなるという話がありますが、eMAXISシリーズについては、発行口数も膨大なのでこれだけの数が一斉に解約されることはないでしょうから、問題なさそうですね。
※ここでは、長期チャートを見たかったので、eMAXISシリーズを参照していますが、これから購入する場合は、eMAXIS Slimシリーズの投資信託がおすすめです。
※チャートはSBI証券さんのものを参照させていただきました。
純資産額の確認ポイント
実際に投資信託を購入する際の純資産額の見方です。
- 純資産額が右肩上がりで増えているか?
- 基準額が下がっていないのに純資産額が大きく減っている箇所はないか?
1については、純資産額が年々増加しているということは、購入者が徐々に増え、運用によっても資産が増えている証拠です。もし、純資産額があまりにも少ない場合、人気がなく運用が上手く行えていない投資信託である可能性があります。
また、配当を出す投資信託で純資産額が多くても右肩下がりである場合、資産を削って配当を出している可能性があります。注意が必要です。
また、2つ目についてですが、純資産が減る原因は、運用による値下がりと購入者が解約した場合も純資産が減少します。そのため、基準額の落ち込みがないにも関わらず、大きく純資産が減少している場合は、大口の解約があった可能性があります。そのため、このような投資信託の購入は控えたほうがよいです。これについては、純資産が大きければ大きいほど、一部の解約者の影響を受け難いということになります。
純資産額が少ないからといって一概にそうとは言えませんが、ある程度年数が経った投資信託で、あまりにも純資産額が小さい投資信託や純資産額が右肩下がりの投資信託は、繰り上げ償還のリスクも高くなるため、注意が必要です。
同じような種類の投資信託を購入する場合、信託報酬が同程度であれば純資産額が大きいものをおすすめします。楽天証券やでは、投資信託の比較も行えるので実際に投資信託を購入する際は、対象の投資信託を比較し検討してみてください。
コメント