2019年9月現在、世界経済は米中貿易摩擦などによる経済の先行きの不透明感から、景気後退入りとなるのではないかという局面に来ています。
新興国株式の株価指数をみても2018年を境に右肩下がりとなっています。2019年はやや回復したものの、新興国の景気は既に下降に向かっているのでは?という気もします。とはいえ、経済は上下しながらも成長していくと考えられていますので、長期目線で投資を考えるなら、新興国への投資も少額ながら行っていきたいと考えています。
今回は、新興国株式のインデックス投信として有名な「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」についてです。どんなファンドか確認してみます。
運営会社
この投資信託は「三菱UFJ国際投信株式会社」(https://www.am.mufg.jp/)が管理しています。三菱UFJは国内でも最大級のメガバンクとして知られています。その中でも三菱UFJ国際投信は、資産運用の中核を担う会社となっています。
インデックス投信についても様々なものを出しています。eMAXISシリーズは特に有名です。https://emaxis.jp/
投資形態
ファミリーファンドです。
「新興国株式インデックスマザーファンド」をマザーファンドとしています。
ファミリーファンド方式では、ベビーファンド(今回の場合「eMAXIS Slim新興国株式
インデックス」)は、実際の投資を行わずマザーファンドが運用を行います。ベビーファンドではその受益証券を売買しています。
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」は、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み)に連動する成果を目指しています。
「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」等の投資信託では、ETFに再投資することで、インデックスへの連動を目指していましたが、こちらの商品は運用会社でポートフォリオの構成やリバランスが行われています。
参考
MSCIエマージング・マーケット・インデックス
MSCIエマージング・マーケット・インデックスとは、新興国株式の投資信託の指標として有名な指標の一つです。
FTSE エマージング・インデックスとの大きな違いは、韓国を新興国として含んでいることです。韓国を含む新興国への投資を行いたい場合は、MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動する投資信託を選択する必要があります。
韓国を新興国と見なすかは難しいところですが、2019年現在韓国経済は、やや不調のようです。株や通貨の下落が目立ちます。近年の運用成績もMSCIよりもFTSEの方が、ややよいトータルリターンとなっています。
しかし投資の場合、そんなときこそ買い時ということもありますので、長期目線で広く新興国に投資したいのであれば、こちらのMSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動する投資信託を選択してみてはいかがでしょうか。
純資産額
18,450百万円
十分な純資産額です。なにか大きな問題が発生しない限り、繰り上げ償還等のリスクはないと考えられます。
構成銘柄
この投資信託では、以下の銘柄に投資しています。
投資対象市場
主な投資対象国は以下になります。
中国 |
韓国 |
台湾 |
インド |
ブラジル |
南アフリカ |
ロシア |
メキシコ |
タイ |
マレーシア |
インドネシア |
投資対象銘柄
投資対象銘柄の上位は、以下のような企業が占めています。
テンセント・ホールディングス |
アリババ・グループ・ホールディングス |
台湾積体電路製造 |
サムスン電子 |
ナスパーズ |
中国建設銀行 |
中国平安保険 |
中国移動(チャイナモバイル) |
リライアンス・インダストリーズ |
中国工商銀行
|
新興国株式では中国の銘柄が上位を占めています。現在、米国との貿易摩擦で色々問題が起きていますし、世界的にリセッション入りがいわれていますので、今後落ち込むことが予想されます。
4番目にサムスン電子(韓国)が組み込まれているのが、FTSEとの大きな違いです。
信託報酬
実質の信託報酬は、2019年7月時点の目論見書では年率「0.20412%」となっています。2019年10月以降消費増税の影響で増税分が上乗せされ年率「0.2079%」となる予定です。
これは「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」に連動する投資信託の中では、安いレベルとなっています。
しかし「FTSE エマージング・インデックス」(韓国を除く新興国の株式に連動)する投資信託では、「「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」という投資信託が最安の信託報酬額(201908調べ)となっています。
まとめ
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」についてでした。韓国を含む新興国の株式に投資したいのであれば、この投資信託を選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか。新興国株式のインデックス投信の中では、純資産額の大きさ、信託報酬額の安さには定評のある投資信託です。
新興国株式インデックスの今後についての記事です。新興国株式ってどうなのかな?と思っている方は一読してみてください。
新興国株式の指数連動型の投資信託の一覧を信託報酬が安い順に一覧にしました。参考までに。
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