私はスワップポイント目的の投資として、メキシコペソ/円(MXN/JPY)を運用しています。今回はなぜメキシコペソ/円(MXN/JPY)でスワップポイント目的の投資をしようと思ったのか、そのメリットやデメリットについて紹介していきます。
事前情報
メキシコペソ/円のお話をする前に、いくつか基本的な情報を少しさせてください。すでに知ってる人は読み飛ばしてくださいね。
スワップポイントとは?
FXに馴染みのない人には、スワップポイントってなに?という方もいらっしゃるのでは?ということで、スワップポイントについて簡単に説明します。
金利の差額分を調整したお金のことをスワップポイントといいます。なにそれ?と思いますか?ちょっと分かり難いですよね。。。より具体的に。FXは2カ国の通貨ペアで取引を行います。
例えば、米ドル/円(USD/JPY)の場合を考えます。米国ドルと日本円の取引になります。
- 米国の政策金利:2.5%
- 日本の政策金利:0.1%
これを米ドル/円をロング(買)ポジションで10,000通貨購入します。
すると、、、
金利の差額 = 2.5%-0.1% =2.4%
スワップポイント =10,000通貨 * 2.4% = 240円
米国のほうが金利が高いため、金利の差額分上の例では1日240円を受け取れるということになります。FXではこの金利の差額分をスワップポイントといいます。
スワップポイントはFX業者が手数料等を差し引いて調整していますので、FX業者によりスワップポイントが異なります。スワップポイント目的の投資を行う場合は、スワップポイントの高いFX業者を選択するようにしましょう!!
先程の例では、スワップポイントがプラスになった例ですが、反対にマイナスになることもあります。取引する通貨ペアの政策金利により変わりますので、ショート(売)とロング(買)を間違えないようにしましょう。
また、スワップポイントは日々変わっていきますので、投資対象の国の政策金利に注意することに加え、各業者のスワップポイントの推移も定期的に確認しておきたいところです。
高金利通貨とは?
メキシコペソ/円(MXN/JPY)は高金利通貨です。他にも高金利通貨といえば、トルコリラ/円と南アフリカランド/円も有名ですね。
高金利通貨とは、政策金利が高い通貨のことです。各国の政策金利は以下の一覧の通りです。上位のみですが。米国ドルも以外と高いですよね。しかしなんといってもトルコリラが政策金利としてはダントツ1位です。他の通貨と比べると1カ国だけ飛び抜けています。
中国、香港ドルは日本のFX会社だと取引できないところも多いので、投資対象にはならなそうです。米国ドルは、1通貨あたりの金額が100円~120円程度ですから、トルコリラやメキシコペソ等の通貨と比べると数倍の資金が必要となります。
各国の政策金利(※2019年2月時点)
順位 | 国名 | 政策金利 | 備考 |
1位★★★ | トルコ | 24.0 | 高金利通貨 |
2位★★ | メキシコ | 8.25 | 高金利通貨 |
3位★ | 南アフリカ | 6.75 | 高金利通貨 |
4位 | 中国 | 4.35 | |
5位 | 香港 | 2.75 | |
6位 | 米国 | 2.50 | |
7位 | カナダ、NZ | 1.75 | |
8位 | 豪州 | 1.5 |
なぜメキシコペソ/円を投資象に選択したか?
ではなぜメキシコペソ/円に投資しようと思ったのか順に説明します。
国の信用度は?
人ごとに与信情報があるのと同じで、国にも信用度合いを判断するための格付けが存在します。FXとあまり関係がないように思えますが、通貨価値は国の政策等によって大きく変わってきます。国内情勢が不安定な国は、通貨の価格も大きく変動しやすく、ときに思わぬ損失につながることがあります。
とくにスワップポイント目的でFXを行う場合は、ある程度通貨の価格が安定しているほうが望ましいと考えています。というのも、通貨価値があまりにも下がるともらえるスワップポイントより、価格の値下がりによる損失のほうが大きくなってしまいます。
利益率を考えて投資を行うと、多少なりともレバレッジをかけて取引する必要があるため、あまりにも大きく通貨価値が下がってしまうと、スワップポイントで得た利益も吹き飛んでしまいますし、場合によってはロスカットされるかも?という心配が発生し、心理的負担が増大してしまいます。
では、高金利通貨と呼ばれている3兄弟。トルコ、南アフリカ、メキシコの格付け情報をみてみます。(S&P Grobal が提供している情報から一部抜粋しています。)
※2019年2月28日現在
順位 | 国名 | 自国通貨 長期格付け |
自国通貨 アウトルック |
1位★★★ | メキシコ | A- | 安定的 |
2位★★ | 南アフリカ | BB+ | 安定的 |
3位★★ | トルコ | BB- | 安定的 |
参考 | 日本 | A+ | ポジティブ |
参考 | 米国 | AA+ | 安定的 |
こうしてみるとメキシコは、日本には及ばないものの他の高金利通貨より頭一つ高い評価にあることがわかります。
現在のメキシコペソ/円の通貨価格は?
現在メキシコペソ/円は、5.5円~6円付近(2019年3月時点)をレンジで推移しています。通貨は下がったとしても0円にはなりませんから、かなり安い価格となっています。
過去のチャート(下図は月足です。)を見てみると、メキシコペソ/円は元々通貨価格が安めのため、下落幅が小さいのが特徴です。2009年のリーマンショックのときを見ても11.058円→6.088円で約5円程度の下落でした。その後も8円から徐々に5円を切るくらいまで下落していますが、ここ数年は5円から6円くらいのレンジで推移しています。
メキシコペソ/円でスワップポイント投資をしようと思った理由
まとめるとメキシコペソ/円は、現在(2019年3月時点)以下の特徴がみられます。
- メキシコは、比較的情勢が安定していて通貨の価値も安定している
- 政策金利は8%を超えており、高い水準にある
- 通貨価格が安値圏であるため、今後の値上がりが期待できる
- 通貨価格が安値圏であるため、少ない証拠金でたくさんの通貨を購入できる
- 暴落しても5円程度である
- レンジ相場なので、定期的に積み立てることで、評価レートを平均化でき、それほど評価損益を気にせず、運用ができそう
参考までに、政策金利だけみるとトルコリラが飛び抜けて高いのですが、トルコリラは最近も暴落が発生し、レバレッジが25倍から12倍に変更になったり、スプレッドが大きく広がったりといろいろ大変です。私はトルコリラは、ほんの少しだけ、レバレッジ1倍程度で保有しています。そのうち損益を含めプラスになってくれたらな~という感じで(ということは、現在マイナスです。。。)保有し続けようと思います。トルコリラのお話はまた別の機会に。
上にあげた現在のメキシコペソ/円の特徴から、2019年3月現在買い時だ!!と考えた次第です。
メキシコペソ/円の不安要素
ここまでメキシコペソ/円のいいところばかり紹介してきましたが、もちろん不安要素も少なからずあります。心配しすぎて、どこにも投資できない!!となっては本末転倒ですが、不安要素があることはしっかり認識しておきたいと思います。
メキシコは、北米大陸の南、アメリカの下側に位置します。そのため、アメリカと非常に仲がよく貿易の取引相手国としてもアメリカが一番です。そのため、アメリカの景気が悪くなるとその煽りを受けます。ちょっとドル/円(USD/JPY)の月足チャートを見てみましょう。上のチャートと見比べてください。2015年以降に注目です。メキシコペソのほうが緩やかですが、同じようなチャートの動きをしていることに気が付きませんか?
メキシコペソ/円はドル/円の動きにつられています。為替の動きは経済の動きに左右されます。景気が悪くなれば、通貨価値も下がります。
また、政策金利はその国の政策に左右されますので、大統領が変わったり国の政策で方針転換が起これば、政策金利が一気に目減りしてしまうことがあります。今年は8%でも来年は5%かもしれません。
スワップポイント目的の投資では、目的の通貨を購入したらあとは自動でスワップポイントが入るのを待つだけのような気がしますが、リスクも少なからずあり、定期的に経済情勢や価格をチェックをする必要があることを忘れないようにしましょう!!
ここまで、メキシコペソがどんな通貨であるかみてきましたが、次は実際に投資する場合の資金管理について、ご紹介します。ちょっと記事が長くなったので、記事を分割しました。
続きは以下からどうぞ。
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