FXでメキシコペソ/円(MXN/JPY)の運用を開始するときに、リスクヘッジのために両建てでショート(売)ポジションを持つことを予め考えておけば、もしもの大暴落のときでも、比較的ダメージは少なくて済みそうだと思いました。ここでは、両建ての考え方について紹介しています。
両建てによるリスクヘッジの考え方
そもそも両建でリスクヘッジを行う考え方って、株の信用取引とかではメジャーですが、FXではあまりメジャーではない気がします。FXはスキャルピングやデイトレードを行っている人の比率のほうが多いので、ポジションを長く保有しないから、あまり両建てでリスクヘッジする必要もないってところでしょうね。
しかし、スワップポイント目的でFXを行う場合は、この両建てを考慮に入れておくと、より安全に資産運用ができるのでは?と私は考えました。あくまでも「もしも」のための、対策ですが。
FXで資産運用を行うにあたって一番ダメージが大きいのが、ロスカットされ証拠金を失うことです。特にスワップポイント目的でのFX投資では、比較的大きな資金で取引を行うことも多いため、急な相場の急変で、ロスカット!! なんてことになったら、目も当てられません。
ロスカットされなければ、スワップポイントを受け取りながら、徐々に為替レートが回復するのを待つこともできます。つい最近もまたトルコリラの大暴落が発生したばかりなので、打てる対策は打っておいたほうが、妥当かなと考えています。以降で両建てによるリスクヘッジの考え方を紹介します。
両建とは?
まず、両建について簡単に説明します。両建てとは、ロング(買)ポジションとショート(売)ポジションを同じ数量同時に持ち、2つのポジションを合わせて限りなく差し引きゼロに近づける考え方です。
ここだけ聞くと、「そんなことしたら、利益がなくなるじゃん!!両建ての意味なんてあるの?」と思われる方もいるかもしれませんね。
でもよく考えてください。100円で1万通貨購入したとします。それが10円下落し、90円となりました。その時の損失額は-10万円です。もし、10万通貨購入していた場合、10円下落した場合の損失額は-100万円になります。
あなたは、この-100万円という損失額に耐えられるでしょうか?資金が豊富にあり、-100万なんて大したことないよ!!という方は、想定される損失額以上の資金を予め投入しておくことで、ロスカットリスクを回避できますので、両建ての考え方は不要です。
しかし、限られた資金の中である程度のレバレッジを掛けてFXの運用を行っている方にとっては、マイナス金額が膨らんでくると、ロスカットされたらどうしよう。。。と考えるはずです。
大暴落が発生するとスワップポイントで得られる利益よりも遥かに大きなが損失が発生してしまいます。ロスカットされれば、なおさらですね。
為替相場は、いつどう動くか分からないのが怖いところです。ちょっとしたニュースで急激に上げ下げが起こります。そうなってから、追加資金を投入しようと思っても急過ぎて何も対策を打てず、ぽかーんと見ている間にロスカット。。。ありそうでほんとうに怖い!!
そうなる前に両建て!!です。
両建てポジションを持った時点から、損益は限りなくプラス・マイナスゼロ(※注意事項があります。あとから説明します。)となり利益も出ませんが、損失もそれ以上広がりません。スワップポイントの利益も得られませんが、ロスカットされ資金を失うことに比べたらスワップポイントの利益なんて微々たるものです。
両建てにして損失を限定している間に、資金を追加投入する等の対策を打ち、ロスカットリスクが回避できたことを確認したら、売りポジションを決済することで、リスクの回避が可能です。
両建て(売りポジジョン)の建て方
予め計算しておいたロスカットレートの少し上(*1)で、保有しているロングポジションの数量と同じ数量の売り注文を予め発注しておきます。注文の期限は無期限でOKです。
*1 あまりロスカットレートギリギリに設定すると手数料やタイミングでロスカットされてしまう可能性もあるので怖いですが、そこはさじ加減でしょうか。
余談ですが、自分のポジションのロスカットレートを把握していますか?このサイトでも今後計算ツールを載せたいと考えていますが、いくつかのFX業者でもロスカットレートの計算ツールが提供されています。もし、自分のポジションのロスカットレートが分からない場合は、一度計算してみることをオススメします。
誰かが○円あれば安全!とか言ってた。という理屈で取引している場合、相場の急変時に対応できなくて困ります。ロスカットされたらどうしようという不安感をなくすためにも、必ずじぶんのポジションのろスカットレードは確認しましょう。
売りポジションを建てるときの注意点
売りポジションを建てるときの注意点です。以下は必ず確認してください。
- 自分が取引しているFX業者が両建て可能か必ず確認すること。
- マイナススワップを確認すること。
- 手数料分を考慮すること。
- フラッシュ・クラッシュに注意すること。
順に説明します。
1つ目の注意点ですが、あるFX業者では、両建ての可否を投資家(我々)が決めます。あるFX業者では、デフォルトで両建て可能です。あるFX業者では両建てを推奨していないため、デフォルトで両建て不可です。というように、FX業者によって両建ての考え方が異なります。
もし、口座が両建てに対応していない場合、既存のポジションが自動的に決済されてしまいます。思わぬ損失に繋がりますので、くれぐれも自分の口座では両建て可能となっているかを確認したあとに、指値注文を出すようにしてください。
2つ目の注意点です。売りポジションを建てると、スワップポイントもマイナスの値が付くようになります。以前書いた記事でも少し触れましたが、ロング(買)ポジションのスワップポイントに対し、ショート(売)ポジションのスワップポイントが大きい業者が結構あります。
両建てを考慮に入れない場合は、それでも構いませんが、両建てする場合は、損益ができる限りプラス・マイナスゼロなることが理想です。マイナスのスワップポイントも塵も積もれば山となる、、、ですので、ショートもしたいと考えている方は、買いも売りも同じ金額もしくは差が少ないスワップポイントを付与しているFX業者で口座を開設するとよいかと思います。
私が調べた中では、以下のFX業者が売りと買いのスワップポイントが同じ金額でした。
FX業者 |
みんなのFX(トレイダーズ証券) |
LIGHT FX(トレイダーズ証券) |
セントラル短資FXも以前は、売り買いのスワップが同じでしたが、2020年3月現在1ポイントの差ができてしまいました。
3つ目です。両建てにしたとしても、ロングポジションとショートポジションの価格差による損益やポジションを建てる際のスプレッド分の費用は掛かります。スプレッドがどのくらい広がるかは、そのときになってみないと分からないので、ある程度リスクを考慮して資金管理を行う必要があります。
また、私が口座を持っているセントラル短資FXでは、注文が約定するまでは、その注文に対する証拠金が必要との記載がありました。ということは、常に保有ポジションの最低必要証拠金✕2については、資金を確保しておく必要があります。その分ロスカットレートが切り上がるということになりますね。見落としがちですが注意が必要です。
最後の4つ目です。両建てを行うことでのデメリットとしては、このフラッシュ・クラッシュ(一時的に大暴落して、その後一瞬で戻ってくる)です。この場合、売り建てした金額より上の価格に戻ってしまうと、ショート(売)ポジションの損益がマイナスとなってしまいます。
そのため、あまり上の価格でショートポジションの指値をおくことはオススメしません。少なくとも過去の最安値以下の値にショートポジションをおきましょう。
そこまで下がると、FX業者にロスカットされる人も出てくるため、価格が戻りにくくなると私は考えています。
とはいえ、そうなった場合、政策金利もどうなるかわからないので、一長一短でしょうか。。。政策金利が下がりそうなニュースがでたら、証拠金を増やしたりスワップポイントに投資していた資産をある程度減らすことも必要そうですね。
まとめ
ロスカットレートや売り注文の指値価格は、為替レートやポジション数に依存します。変動があった時点で、定期的に見直しを行っていきます。
現在メキシコペソ/円は安値圏にあり、今年2019年に入って政治もある程度安定しているようです。比較的値動きも緩やかなため、私はリスクを踏まえた上で、レバレッジを掛けた取引を行っています。
しかし、メキシコは米国と仲がよいため、米国の景気が悪化するとメキシコにも影響がでます。またメキシコの大統領が変わったり政策の方針転換が行われたりするとスワップポイントがマイナスとなる可能性もあります。今後も情勢は注意深く見守っていきたいです。
スワップポイント目的で投資を行う場合は、長く続けて毎月スワップポイントを得ることが目的です。そのため、ロスカットされないよう予め打てる対策は実施しておきたいところです。
投資は自己責任です。よく考え理解し、自己責任で投資を行ってください!!リスク回避!!がんばりましょう!!
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